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2020.12.11
「ながら運転」厳罰化から1年
「ながら運転」厳罰化の内容を振り返ってみる
「ながら運転」が厳罰化された改正道路交通法が2019年12月1日に施行されて約1年が経ちました。
当時ニュースを見ていた時期と比べて、法改正の内容に関する記憶が曖昧になってきている時期かもしれません。
そこで、改めて安全の意識を高めるため、「ながら運転」厳罰化の内容について振り返ってみたいと思います。
そもそも道路交通法による「ながら運転」とは?
では、そもそも「ながら運転」とはどのような行為をさすのでしょうか。以下は道路交通法の条文の抜粋です。
■ 道路交通法第71条第5号の5より
- 自動車又は原動機付自転車(以下この号において「自動車等」という。)を運転する場合においては、当該自動車等が停止しているときを除き、携帯電話用装置、自動車電話用装置その他の無線通話装置(その全部又は一部を手で保持しなければ送信及び受信のいずれをも行うことができないものに限る。第百十八条第一項第三号の二において「無線通話装置」という。)を通話(傷病者の救護又は公共の安全の維持のため当該自動車等の走行中に緊急やむを得ずに行うものを除く。同号において同じ。)のために使用し、又は当該自動車等に取り付けられ若しくは持ち込まれた画像表示用装置(道路運送車両法第四十一条第一項第十六号若しくは第十七号又は第四十四条第十一号に規定する装置であるものを除く。第百十八条第一項第三号の二において同じ。)に表示された画像を注視しないこと
これを簡単に説明すると次のような行為になります。
つまり車を動かしている時に
- 携帯電話やスマートフォンなどを手にもって通話の為に使用する事
- スマートフォンやカーナビ、携帯ゲームなどの画面を見る(注視する)事
「ながら」といば「スマホ」の操作について、というイメージが強いのでスマホ以外を忘れがちですが画面を見る行為はスマホ以外にも、カーナビ・タブレット端末・携帯ゲーム機なども含まれている事には注意が必要です。またこの見る(注視する)行為について、ちらっとみるだけでもダメなのか、といった疑問もあると思いますが、見る時間については規定がありません。時速60kmの車は1秒間に17m進むといった事を念頭に安全運転の義務が守られる事が前提となります。
また画面を見る(注視する)行為については、ホルダーに装着して手に持っていなくても違反対象となります。
道路交通法に違反しない行為は?
では反対に、道路交通方違反とならない行為はどのようなものがあるでしょうか。
次のような場面が考えられます。
1.信号待ちで、車を停止している時にスマホを操作
自動車等が停止しているときを除き、という道路交通法の条文の通り、車が信号待ちなどで停止している時にスマホを操作したり、ナビを操作したりしても道路交通法上は違反になりません。ただ、注意力が散漫になるので信号やまわりの状況が見えなくなってしまいます。
交通のさまたげにならないよう、注意しましょう。
2.ハンズフリーを使って、通話
手で携帯を持たずに通話するハンズフリーを利用した通話やタクシーの無線機は規定から除外されています。
ただし、周囲の音が聞こえない運転は千葉県の道路交通法で禁止されています。安全運転に支障がでるような音量での使用は禁止です。
「ながら運転」による、違反点数・反則金は?
その中身は以下のようになっています。違反行為を行って事故を起こした場合、反則金はなく罰則が適応され、6点減点の免停処分と厳しいものに変更されました。
数字で見る「ながら運転」
スマートフォンやカーナビの普及が進むに連れ、上昇する事故件数
「ながら運転」厳罰化の理由には止まらない事故件数の増加があげられます。
運転中のスマホやカーナビ使用で起きた事故件数は、交通事故発生件数が減少している近年においても増加傾向にあり、社会問題となっています。
事故の内訳をみてみると、世帯におけるスマートフォン保有割合が増加した2010年ごろから、
通話によって起きた事故よりも、携帯の画面目的使用やカーナビやタブレットの画面を注視による事故件数の増加が目立つようになってきました。
取締り状況
取締り全体が年間約600万件。そのなかでも運転中の携帯電話使用等については、
年間70万件以上の取締りがおこなわれており、その割合は令和元年で全体の約13%に及びました。
おわりに
「ながら運転」に対する警察の取り締まり件数は、罰則が強化されてから3カ月間に6万4617件となり、
前年同期(17万2465件)と比べ62.5%減少したことが警視庁から今年4月に発表されました。
罰則の強化が広く知れ渡り重く受け止められた証拠といえるかもしれません。
これが一時的な事故減少とならないためにも、定期的にその内容を確認してみる事をおすすめ致します。
未来に「ながら運転」は無くなる?
自動運転がもたらす未来とは
2020年4月、レベル3の自動運行装置による走行が「運転」と定義されました。これにより、装置作動中はドライバーが常に前を向いて車両を監視する必要なくなるそうです。ただ、システムが制御できない事態になった時、すぐ運転を代われる状況を維持する必要があります。
スマホやパソコンを操作している時に瞬時に運転が代われるのか、といった曖昧な判断となるため、やはり当面はレベル3自動運転中も「ながら運転」には注意が必要となりそうです。
しかし完全自動運転が実用化された未来には「ながら運転」の概念が無くなっているかもしれませんね。
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