COLUMN カーライフニュース

大雨への備え大丈夫ですか? 運転中に集中豪雨に遭遇した時は?

【この記事の目次】
●1.ここ数年、30年に一度規模の大雨災害が毎年のように発生しています。
●2.冠水した道路は、ふくらはぎ位の高さ(約30㎝・タイヤの1/2位)が走行できる限界です。
●3.冠水した道路で車から脱出する方法。
●4.水没時の脱出方法の最後の手段は窓ガラスを割る。その為にライフハンマーが必要です。
●5.ライフハンマーで割る事が出来ないガラスもあります。事前に確認を。
——

1.ここ数年、30年に一度規模の大雨災害が毎年のように発生しています。


2021年、7月1日から続く大雨によって静岡県熱海市は土石流による大きな被害を受けました。
また、2020年の熊本県を中心にした集中豪雨災害、2018年の西日本豪雨災害など、数十年に1度と言われていた大雨特別警報がここ数年、毎年のように発令さています。

これらの大雨による災害の発生がいずれも7月上旬に集中している理由は、積乱雲が連なる「線状降水帯」が発生しやすい環境が重なるからだと言われています。
———
災害を伴うこれらの大雨が増加した原因は、猛暑や自然現象全般に影響を与えている気候変動です。
日本気象協会では2050年頃までに全国の8割にのぼるエリアで短期大雨回数が増加し、雨による災害が起きる可能性があると指摘しています。

今後ますます高まる豪雨災害への危険に備えるため、今回は運転中に集中豪雨に遭遇した時の行動について、考えてみたいと思います。

2.冠水した道路は、ふくらはぎ位の高さ(約30㎝・タイヤの1/2位)が走行できる限界です。


運転中に集中豪雨に遭遇した時、低い土地や道路冠水注意箇所にいた場合は排水できなかった雨水で道路が冠水する恐れがあります。
もちろん、そういった場所に近づかない事やすぐにコンビニなどの駐車場に避難するなどの行動をとる事が大切ですが、冠水路が避けられなかった場合そのまま走行するか車から降りて避難するかの判断をしなければなりません。

冠水路を走行中、車が動かなくなるのは、エンジンの吸気系から水が入り「ウォーターハンマー」という現象でエンジンが破壊される。または、電気系統がショートする事が原因です。ではどのくらいの水位でエンジン内部に水が入ってしまうのでしょうか。
もちろん、タイヤの大きいSUV車と車高の低いセダン車とでは、走行可能な水位は異なりますが、一般的にはだいたい30センチまで、と言われています。水位が60センチになるとセダンなどの車は走行不能になります。また、走行速度をあげると、水しぶきが舞い上がりエンジンに水が入る可能性が大きくなります。
速度を落とした場合走行可能な場合もありますが、道路が冠水してきた場合はできるだけ早い判断で、無理な走行は避け、水位が低いうちに車から降りて避難するようにしましょう。

冠水している道路から、車を降りて避難する場合は足元に注意

もし冠水している道路から車を降りて避難する場合は、足元に何があるかわからないため危険です。特にマンホールの蓋が外れている場所は吸い込まれる可能性があるので、注意して避難してください。

3.冠水した道路で車から脱出する方法

氾濫水の上昇速度は一般的に10分で10~20センチと言われています。ただ、堤防が壊れた箇所から水が道路に来た場合は瞬時に50~70センチの水位になります。冠水路で車が動かなくなった場合は、ドアから脱出できなくなる可能性があるため、以下の状況を参考に早めに車を降りてください。

①水位が低く、ドアが開く場合

徐々に水位が高くなった場合、車内外の水位の差が少ないためドアが開く可能性は高いので、ドアが開く内に脱出します。

②ドアは開かないが、窓が開いた場合

ドアが水圧で開かなかった場合は、窓が開くか確認します。窓がひらいたら窓から脱出します。

③窓も開かない場合

窓を割る専用のライフハンマーで窓を破砕して脱出します。狭い車内では車内にあるモノで
窓を割る事は困難と言われています。

④ライフハンマーを所持していない、窓を割る事ができなかった場合

車内と車外の水位が同じになると、水圧が低くなりドアが開く可能性があります。
あきらめず、ドアからの脱出を試みます。

4.水没時の脱出方法の最後の手段は窓ガラスを割る。その為にライフハンマーが必要です。

万が一水没した車のドアが開かなかった場合、確実に窓を破砕する方法はライフハンマーを使用する事です。ライフハンマーの先端には、カーボンスチールや超硬度セラミックが使われており、小さい力でガラスを破砕する事ができる商品で、車に必ず常備する事をお勧めします。
注意するべき事は1点。合わせガラスは破砕できないため、ご自身の車のガラスに記載されたマークを事前にチェックし、どの窓から脱出できるのかを確認するようにしてください。

5.ライフハンマーで割る事が出来ないガラスもあります。事前に確認を。

お役立ち情報一覧

TOP